ドル建て個人年金保険に入れば安心、と思っていた20代
私が20代の頃から、年金に対する不安はニュースでたびたび取り上げられていました。
「消えた年金問題」もあり、働き始めたばかりの私も「年金って本当に大丈夫?」と不安を感じていました。
そんなとき、健康保険の担当者から話を聞きました。
- 「良い保険がありますよ」
 - 「年金が不安だから、個人年金がオススメです」
 - 「お金が確実に増えます」
 - 「保険に入れば、将来安心ですよ」
 
当時の私は「確かに年金は減ってるって聞くし、保険入っておいたら安心かも」と思ったんです。
当時は円高。聞けば聞くほどお得に感じました。
- 掛け金は自分で選べる(金額を自由に設定できる)
 - 当時は1ドル=80円で円高だからお得
 - アメリカ経済は強い
 - リーマンショックを乗り越えた会社だから安心
 - 60歳で受け取ると掛け金の「倍」になる
 - 元本保証がある
 
私は日本円で 約12,000円(150ドル) の掛け金で契約しました。
何度もシミュレーションしてもらい、「掛け金が確実に倍になる」と信じて25歳のときに加入しました。
実際に保険を続けて気づいたデメリット
でも、実際に続けてみるとデメリットも見えてきました。
為替レートのリスク
始めた当時は1ドル=80円。
ところがその後どんどん円安が進み、一時は160円まで上昇しました。
その結果、掛け金は日本円で 1.5倍以上 に膨らみ、
毎月の支払い負担が大きくなっていきました。
手数料や為替手数料が高い
契約時には意識していなかったのですが、後になって「こんなに手数料が引かれていたの?」と気づきました。
解約返戻金は元本割れしやすい
契約して15年経たずに解約すると、受け取れるお金は掛け金より少なくなる仕組みになっていました。
掛け金150ドルを円換算した場合(為替レート別)
| 為替レート(1ドル) | 掛け金(150ドル換算) | 
|---|---|
| 80円 | 12,000円 | 
| 100円 | 15,000円 | 
| 120円 | 18,000円 | 
| 140円 | 21,000円 | 
| 160円 | 24,000円 | 
契約当時は12,000円だった掛け金が、為替の動きで倍近くになる時期もありました。
そのたびに「来月はどれくらい払うんだろう?」と不安になり、ドルのニュースを見るたびに気が気でなかったのを覚えています。
ドル建て個人年金保険に対する違和感
アラフォーになり、老後資金への不安が大きくなったことで、お金や投資の勉強を始めました。
すると、これまで積み立ててきたドル建て個人年金保険に違和感を覚えたんです。
「ドルが1.5倍以上になってるのに、私の保険は増えてない…?」
「もし自分でつみたてNISAをしていたら、3倍以上になっていたはず」
今解約した場合はむしろマイナス。
保険は60歳で「倍」になると聞いていたけど、つみたてNISAなら同じ期間でもっと大きく増やせる可能性が高いと気づきました。
そのとき心の中で、「もしかして手数料がめっちゃ高いのでは?」と思ったんです。
私がドル建て個人年金保険を解約した理由
- 最初の15年は損をする仕組みになっている
 - 手数料がとても高く、増えている実感が持てなかった
 - つみたてNISAでインデックス投資した方がシンプルで増やしやすい
 
この3つが理由で、私はドル建て個人年金保険を解約しました。
アラフォー・独身・介護士パートと、収入が高いとは言えない私ですが、知識をつけてからは「保険を続けるよりも解約した方が安心につながる」と思えるようになったのです。

保険を解約して得られたこと
- ドル建て個人年金保険は「悪い商品」ではないけれど、手数料が高くて仕組みが分かりにくい
 - 老後資金はシンプルに「積み立て投資+貯金」で作った方が安心
 - 解約してスッキリ。不安が減り、自分のお金をコントロールできる感覚が得られた
 
私は40歳になる前に解約したので、少しマイナスでした。
それでも1ドル=147円の時点で約300万円の解約金を受け取りました。
そのお金を全て株式投資やつみたてNISAに入金。
今では順調に増えていて、「やっぱりこっちの方が自分に合っている」と実感しています。
